10月から11月にかけてが旬のマルメロ。フランス語でコワン(Coing) といいます。カリンに似ていますが、ウブ毛に覆われているので違う果物になります。友だちから豊作なの!とおすそ分けいただき、初めてマルメロという名前を知りました。(ずっとカリンだと思っていた人・・。)置いておくと、部屋がとてもいい香りに包まれて幸せな気分になります。
硬くて生では食べられないので、加熱調理が必要です。ゼリーのような羊羹を思い起こす食感のお菓子「パット・ドゥ・コワン」にするか、コンポートやジャムなどにしていただくことが多いです。
クリスマス前に作って乾燥させ、クリスマス頃に食べるのが伝統的な作り方ですが、乾燥は2〜3日程度でも大丈夫です。常温で日持ちするお菓子なので、ちびちび楽しめます。マルメロってどうやって食べるの?と思っている方、マルメロ初心者の方へ食べ方のアイディアとして、レシピをご紹介します。ヨーロッパ全体で食べられる果物なので、食いっぱぐれないためにも合わせて西ヨーロッパの幾つかの言語でも単語を見てみましょう。
1. マルメロの実を水にさっと通して洗い、うぶ毛を拭きとり、4つ切りにして鍋に入れる。
実がかたいですが、虫に食われた部分は煮る作業の前に取った方が良いです。皮や芯の部分は茹でてからでも取れるので、そのままで大丈夫です。
マルメロの実に水がちょうどかかった位の少量の水をかぶせ、20分程度煮る。
2. 皮と種、芯をとる。茹でたては熱々なので、少し冷ましてから。茹で汁は捨てる。
3. こし器で実をこすか、ミキサーにかけてピューレ状に、できるだけ滑らかにする。フードプロセッサーやブレンダーなども、もちろんOKです。
4. ピューレ状になったマルメロと砂糖を鍋に入れよく混ぜる。さらにバニラ風味の砂糖も加える。
5. 加熱を始める。マルメロのピューレがグツグツと泡を吹き出してきたら、こげないようにかき混ぜ続ける。
最初は薄い黄色ですが、煮詰めていくと赤みがかかってきます。
火を止めるタイミングは、凝固してきたマルメロの生地にヘラを通すと少し線が残る位まで。
6. 好きな型に生地を入れる。1,5cmくらいの高さにして大きめ容器を使っていますが、もっと小さくて高さのある容器に入れるのもありです。
きれいな色で見惚れてしまいます。
クッキングシートをひいていますが、ダイレクトに容器に入れてしまってもきれいにはがれます。
汚れが入らないよう布やラップ、アルミホイルなどで器をおおって常温でおき、2日目以降に型から外し、上面と下面をひっくり返す。
出来上がり3日目くらいから、常温保存でかなり持ちます(1ヶ月以上余裕です)のでちびちびとゆっくり食べれます。そのまま乾かしておくほどかたくなります。
お砂糖にまぶして食べることがフランスでは多いようですが、砂糖なしでも全然美味しいですよ。(私はナシ派)
自分で一から作って思い出したのですが、スペインに住んでいた時にもこのお菓子をクリスマスシーズンに食べていました。スペイン語ではメンブリージョ(Membrillo)と言います。軽い味のフレッシュチーズ、ケソ・デ・ブルゴス(Queso de Burgos)と一緒に合わせていただくことが多かったです。
メンブリージョに似てるな・・と思いつつ、食べるまで思いつきませんでした。フランス語とスペイン語、お隣なのにコワン (Coing) とメンブリージョ(Membrillo)って字面が違うので、同じものだと紐ついていなかったという・・💦
西ヨーロッパ全般でこの果物を食べるので、どんな言葉なのか合わせて幾つかのヨーロッパ言語でも覚えてしまいましょう。このシーズン、どこにいってもこのゼリーに似たようなものがあるので、食べ忘れることのないようにしておかないと・・。
日本語のマルメロ、はポルトガル語から来ているんですね。もしかして鉄砲伝来の時に一緒に渡ってきたんじゃないの・・?(想像1)
ラテン語からイタリア語になって、フランス語やカタラン語になるとCの言葉でなまって、もっと北に行って英語やドイツ語になると「Q」から始まる言葉になり、スペイン語とポルトガル語は、きっとイタリア語のMela(リンゴ)だけが残ってなまっていったのね・・(想像2)
などなど、想像が膨らみます。(あってるかどうかはわかりません)マルメロという言葉の旅も見ていくと面白いですね。
少ない材料、簡単な手順で作れるお菓子のレシピはこちらです。
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