スペインで預金と債権セミナーに行って学んだ8つのこと
”預金と債券”を勉強できるという無料セミナーの案内がGAESCOという証券会社から届きました。案内には、固定金利と変動金利の比較、債券の主な特性、債券と貯金の比較、を中心に、銀行預金の代替えとして債券購入をどう進めるかを学ぶ会、とあります。
最近まさに債券を買ってみたので、今、どうこうしたいとも思ってないのだけど、どういう話をするのかなー、と興味があったので行ってみました。
セミナーの講師の見た目の雰囲気がちょっと漫画家の小林よしのりさん(ゴーマニズム宣言の著者)を思わせる人で、さらに僕の発言はラディカルですから、というだけあって、一人ツッコミ一人ボケの語り口調が激しく、とても面白いプレゼンテーションとなりました。
8つの学びがありました :
1.預金をもつことは銀行に金を貸すことと同じ
個人の預金保護は10万ユーロまでとサパテロ氏(前の首相)は言ったが、そんな保証はない。リーマンショック以来ヨーロッパ内には救済しなければいいけない銀行が何社もあり、金融商品に、”保証する”という言葉を使うことが禁止となっている。(カスティージャラマンチャ銀行とSur銀行の救済に、国庫の50%を使い、次にどこかの銀行が危機に陥ったらこの国に助ける金が残っているとは思えない)
2. 預金は口座には残っていない
預金口座にはなくて(あるように表示されているが)、銀行の投資として、実際は”貸し付け”(住宅ローン、クレジットカード、その他貸付金)に使われている。もし銀行が融資や投資に問題を起こしたら(サブプライムのときみたいに)、一般預金者がお金を失うだけなのは明らかである。
3. 預金は銀行の儲け
ざくっと言うと、預金してくれる人に利息を3%払って、借金を申し込んでくる人に6%で貸し付けし、そのマージンを主な益としている。(スペインの場合の利率)
4. 債券と預金の大きな違いは、債権は毎日価格が評価され、市場価値で日々かわっていること
債権を買ってずっと保有していれば確定利回り(固定金利)だけど、その期間中に価格も利回りも変動しているので、償還日を待たず売ることもできる。事前に解約した場合のコミッションは預金からマイナスされる。
5. 債権の利子は預金の利子と同じように保証されている
元本と利子は発行者によって保証されており(償還日まで持っていれば)、発行者がその債権で破綻しない限り戻ってくる。(債権を買った銀行も破綻しないこと、も条件)
6.(10万ユーロ以上資産がある人は特に)預金は自分の持ち金の30%までとし、70%は分散して投資するべき
投資先はリスク軽減のために、投資先の分野を変えてさまざまに持つこと。(通貨を変える、公債と社債、をわける、産業はエネルギー分野、車産業、などにわける、etc)また、銀行は1つより2つ、2つより3つにしたほうがリスク軽減になる。
7. 沢山ページがあって、小さい字で書いてあってもそこが肝心である
契約書の内容は字が小さいが、何としても読むこと。
8. 債券買うなら長くても5年くらいまで
基本は1年から3年がオススメだそうです。
一通り説明の後に、お客さんと銀行とブローカーになりすまし、債券購入にあたりどんな話がくりひろげられているかの一人3役の芝居をしてくれたのですが、銀行ってヤクザな商売~!と納得せずにはいられない熱演。日本の証券会社でももちろんこういった勉強系のセミナーがあって、今の時代オンラインで見れたりするのですが、こんなに熱い債権購入の一人劇を見たことがなかったので楽しく勉強できました。
【今日の収穫】
預金に対するイメージが変わり、投資を大きくしたほうがよさそうと思うようになったこと。債権のイメージも良いものに変わりました。(←すっかりセミナー主催者の意図通りに動いているカモ)
債権は銀行の預金代わり、固定金利で元本と利子が帰ってくればいいか、ともっていたのだけど、そうしなくてもいいことが判明したこと。でもどーするか、といわれると、やはり何もしないで償還日を待つだけになりそうだけど。。
来ていた人たちの年齢層は高く、30-40代よりも、50-60代が圧倒的に多く、もう年金を受け取っているか、受け取るまで間近、とかそんな人たちばかりでした。お金の蓄えが適度にあり、これからの老後の資金をどう使っていくか、とかそんな興味から来ている人が多いかんじ。みんな熱心に質問をしていました。投資するなら、国や企業がもりあがるような前向きなものにつながるといいですね。
投資といえば、新しい投資先として今なら仮想通貨がありますよね。フランスで仮想通貨取引所で口座を開いてみた話はこちらです。