フランス語 DELF B2 合格した後に使う独学教材

この記事では、DELF B2レベル程度の学習を終え、さらに C1、C2 レベルの上級者を目指すために使い始めた・使おうと思っている参考書やサイトをまとめました。DELF B2の試験を合格に導いてくれた、オンラインの語学勉強プラットフォーム italki の先生がオススメしてくれたもの中心です。
Wikipediaによると、CEFR(ヨーロッパ言語共通枠)でB2レベルとは「自立した言語使用者/ 実務に対応できる者・準上級者」と定義されています。ここから「熟達した言語使用者」である上級者(C1)、 熟練者(C2)レベルを、オンライン授業と独学で参考書や無料教材を使って目指します。
語学能力を中級からさらに習熟度を上げて熟達させていくには、その文化、歴史、伝統などの国や言葉の背景を知る必要があります。また、高度な文法や語彙を正確に使えて、ジャンルを問わず高度な内容の長い文章理解ができることが求められます。
知識の幅広さ、巧みな実用能力が必要だけど、伸びをなかなか感じられず、勉強を続けるモチベーション維持が難しい、というのが中級以上の悩みの1つではないでしょうか。
今の時代、ネットで情報や先生、仲間を探せるものの、英語に比べるとフランス語の勉強法や情報はまだまだ少ないですよね。どのような取り組みをしているのか共有することで、誰かの何かの参考になったらいいな、と思います。
独学とオンライン授業を使ってフランス語の習熟度をあげたい方、一緒に頑張りましょう。
文法
細かい例外を覚え、あやふやなところをはっきりさせる
Grammaire Progressive du Français – Perfectionnement
CEFR B2-C2レベル向けの文法説明とエクササイズがある有名なテキストで、この本を学習教材として使っている語学学校もあります。初心者向けのDébutant から中級 Intermediaire, 中上級 Avancé とこなしてきた本のシリーズ最終巻なので、この本を学んで文法を仕上げます。
さすが最終巻だけあって、例えば 未来は、”dans l’avenir” や “à l’avenir” というが、過去は”dans le passé”としか言わない、”chez IBM” と言うが、”à la BNP”とは言わないなど、あー、コレコレ!という細かな違いを学べます。
語彙
単語量を増やす
ロベール・クレ仏和辞典
DELF B2 を受験する前に辞書暗記をしたのですが、それがかなり役に立ったので、さらに辞書暗記を続けることにしました。その時の辞書暗記の話はこちらです→
今回の暗記チャレンジは22000語掲載の「ロベール・クレ仏和辞典」。外国人学習者用の仏仏辞典、Dictionnaire du français (Le Robert & CLE International) を日本人学習者向けに翻訳・編集した学習仏和辞典です。
22000語!と聞くと気が遠くなりますが、4000語の西仏単語集 「Francés práctico Vocabulario básico」と5000語の「パスポート仏和辞典」を覚えた後なので、単純計算すると13000語、重複や忘れもあるので合わせて14000語くらいになるのではないかと思っています・・。付録として文法解説、フランスの国家制度、フランス史年表もあるのでフランス、フランス語関連の知識も合わせて読めます。
類形異義語(faux amis)という形は似ているが意味の違う言葉を集めたリストがあるのですが、英語とフランス語の類形異義語のみ掲載しているのが残念なところ。本家の辞書には、スペイン語、ドイツ語などいくつかのヨーロッパ言語とフランス語の類形異義語を掲載した表があるので、こちらもはしょらず全て載せて欲しかったです。
リスニング
集中的に聞く練習。短いもの、インタビュー形式のポッドキャストを聞く。
Chose à Savoir
このシリーズは、1人のナレーターが1つのテーマについて3分程度で説明する番組です。健康、科学、一般教養、歴史の分野に分かれており、取り上げる内容はどの分野でもへぇ〜、と興味深く聴ける話ばかり。文字起こしもサイトに出ているので、聞き取れなかった単語を調べたい時に便利です。トランスクリプトが見れるサイトはこちら→ CHOSE A SABOIR
- Choses à Savoir SANTE (健康にまつわる雑学・約3分)
- Choses à Savoir SCIENCES (サイエンスにまつわる雑学・約3分)
- Choses à Savoir CULTURE GÉNÉRALE (一般教養的な雑学・約3分)
- Choses à Savoir HISTOIRE (歴史にまつわる雑学・約3分)
Franceinfo junior
Franceinfo junior(小学校高学年〜中1位の子供達が色々な専門家に質問し、専門家がわかりやすく答えてくれる・約5分)は、時事問題などを大人が子供に向けて説明してくれるので、自分の勉強にもなるポッドキャストです。ウェブサイトでも聞けます。
興味のあるテーマで長めのポッドキャストをゆるく聞き、内容を人に説明するつもりで独り言を言う。
そのために、私が聞き流しているのはこんな↓ポッドキャストです。IT、教育、環境系の番組を探し中です。
- Gaijin San (東京に住む3人のフランス人男性が日本の日常生活やニュースを語る番組・2時間くらい)
- Kiffe ta race (フランスに住む中国系フランス人とアフリカ系フランス人が語る人種問題をテーマにした番組・45分くらい)
読解
新聞記事は精読する。本を読む時はあまり辞書を引かない。
- 新聞記事を精読、わからない単語はしっかり調べる。気になった記事をツイッターで要約して呟やいたら、緊張感生まれて良さそうな気がしています。(やるかやらないかはおいておいて・・)
- 本を読む時は、気になる単語でない限り、辞書なしで読み進める。
ディクテーション
実はこれまでやっていませんでしたが(間違えが多くてうんざりしていた人)、リスニングをしながら綴りと文法の間違いに気づけるので、勉強に取り入れることにしました。TV5MondeのディクテのサイトDictée d’Archibald を教えていただいたのですが、ホントいいです!
TV 5のディクテ、良いですよ✨
・画面に入力するからフランス語のタイピングの練習になる
・難解単語、文法の説明あり(ただし全部フランス語)
・同じお題で6レベル(A1~C2)
・めんどくさいログインとか不要
・なのに無料https://t.co/N0JbWE1g9H— ダリア Merveille~フランスの風~ (@MerveilleFrance) July 23, 2019
文章の書き方
Profil formation français : du plan à la dissertation
バカロレア(高校の終わりに受ける中等教育レベル認証試験)やその他選抜試験を受けるフランス人に向けて書かれた小論文の書き方の本です。新書サイズ160ページ弱の薄い本で、古本で1ユーロだったので買ってみました。
でも、この本の例題は、例えば、”La pollution est-elle selon vous l’une des fatalités du monde moderne?”と、とても短く、そこから小論文としてかなり長い意見を展開していくものです。語学試験のDALF の作文対策の本としてはちょっと違います。
(DALF C1のテストに出るのは、1000語程度になる3〜4つの文章の総論を書くサンテーズ(Synthèse) と続けて自分の意見を述べる論述的エッセイ (Texte argumentatif)、DALF C2が2000語程度の資料を読み、整った文書作成 (Texte structuré)。)
語学テストよりずっと長い小論文の書き方なので難しいです。なので、見出しや大文字で書かれているところだけを拾ってザザザっと読んだのですが、内容は外国人が外国人テストを受けるためにも参考になる内容と思いました。
例えば、導入部分の書き方には、
IL EST NÉCESSAIRE DÈS LE DÉBUT DU DEVOIR DE PRÉCISER DANS QUEL SENS ON PREND LE OU LES MOTS CLÉS DU SUJET.
-Du plan à la dissertation : p.12
とあり、「テーマの鍵となる言葉を最初からはっきりさせることが必要」であることが明示されています。これ、DALFの小論文書く時にも必ず最初にやることですね。
この本を使ってどうやって練習するか、という章があるのですが、そこには12ヶ月で仕上げるスケジュールが載っており、ネイティブでも長い時間をかけて練習を積むものなのがわかります。
この本にある参考回答小論文には有名人の有名な言葉が引用されていたりして、こういうまとめ方が美しい文章なのね・・と勉強になります。テスト対策、というより、フランス語として美しい小論文とはどうまとめられるのか?を読む感じです。
DALFなどテスト準備に直接はなりませんが、エッセイの見本を読むことで、フランス語の美しい文章イメージをつかめればいいと思っています。あとは、文章を書いて先生に添削をしてもらう、の繰り返しで、勉強していきます。
DALF C1 を意識した勉強
Objectif DALF C1
DELF B2の勉強をした時に得たフランス語的な文章や手紙の書き方、スピーチのやり方、論理の展開の仕方、がとても有用だと思ったので、テストを利用して多面的にフランス語力をあげることは悪くないやり方だと思うようにました。
いつになるのかわかりませんが、「次にフランス語の語学試験を受験するならDALF C1」と決めているので、何が必要とされる能力なのか、どんな問題がでるのか、どう勉強していけばいいのか、など概要を知るために「Objectif DALF C1」という本を買ってみました。
この本は読解、リスニング、作文、口頭試験の全般におき、必要な能力がどんなことなのか、どんな本や教材で勉強できるのか、などオリエンテーション的な情報が載っています。
あわせてここにあるテスト対策本も合わせて買おうと思ったのですが、2020年3月以降テスト形式が少し変わる(DALF C1 / C2の人文科学系・理系といった専門の選択がなくなる = 出題分野は全般)ので各出版社は新しい版を出すかもしれないし、文法と語彙の勉強がもう少し進んだら対策本を買いたいと思います。
参照 : 2020年3月以降のテストの変更について
Les épreuves des diplômes DELF et DALF évoluent
オンラインレッスン
千野栄一先生の、何回読み返したかわからない本「外国語上達法」には、
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語学の上達に必要なのは何か?「お金と時間」
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お金と時間を使って何を学ぶべきなのか?「語彙と文法」
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語彙と文法を覚えるためには何が必要か?「外国語を学ぶためには、次の三つのものが揃っていることが望ましい。その第一はいい教科書であり、第二はいい教師で、第三はいい辞書である」
という、千野先生が神様と呼ぶ先生の明快な回答があるのですが、ホントそれ!で良い先生に習えると、語学学習が心強いものになります。
教師をネットで探せるようになっている時代、学校に行かなくてもいい先生を見つけられます。
自分の予算と目的に合わせて、フランス語の外国語教授法を習った信頼できるネイティブの先生を探すのに便利だと思うのが、登録している先生の数も学べる言語数も世界規模で大手の italki という語学学習プラットフォームです。
私はここで信頼できる先生を見つけられて、DELF B2に合格できました。最後まで付き合って頑張ってくれた先生には今も大感謝です。
今日の収穫
やろうと思うことを書き出したら我ながら多くて自分でギョッとしました・・💦。いつまでに何をやる!という計画をあえて立てず、期限はあえて設けず毎日の継続を目標に仕上げていくことにします。フランス語を学習、もですが、フランス語で学習、も始めるので、消化不良起こさないようにしないとです。
また千野先生の「外国語上達法」を読み返してしまいました。1986年に初版が出た本ですが、未だに通じる話が多く、語学の学習の基本はホント変わらないな、と思わせる1冊です。
その後、Grammaire Progressive du Français niveau perfectionnement を実際にやってみた記事はこちらです。
フランス語文法書 GRAMMAIRE PROGRESSIVE DU FRANÇAIS 全シリーズ 使ってみた感想
勉強したいのだけど、やる気がどうもなくなってしまった、と感じている方へ