フランス語の多読に。レベル別読み物中級〜上級向け (B1-C1レベル)20作品 

フランス語の多読に。レベル別読み物中級〜上級向け (B1-C1レベル)20作品 

フランス語ネイティブも普通に楽しめる本で多読したい

フランス語の多読に。レベル別読み物初級者向け(A1-B1レベル) 15作品 という記事で、フランス語のレベルに合わせて読める一般書をご紹介しました。スペイン・バルセロナにある公立語学学校のクラス別教材として公表されている読み物リストですが、フランス語ネイティブも普通に楽しめる一般の本がほとんどです。学習者用に作られた作品ではなく、自分のフランス語レベルに合わせて普通の文学作品を選ぶ目安に使えると思います。今回はその続きで中級以上クラスの読み物としてリストに出ていた本の一部をご紹介します。(緑色アンダーラインが作品タイトルです):

 

フランス語 レベル別の読み物一覧

QUART  (B1-B2クラス)

 

1 . Verne, Jules.   Le tour du monde en 80 jours

ジュール・ヴェルヌ作、邦訳「80日間世界一周」。「海底2万理」でも有名な巨匠と呼ばれる作家の作品。1872年、ロンドンの貴族フィリアス・フォッグ卿は、80日間で世界一周できるか2万ポンドを賭けた。 献身的な召使いパスパルトゥーと一緒に、この賭けのためにロンドンを出発。幾多の障害を乗り越え、波乱に富んだ旅行をしていく。キンドルだと無料版も出ています。

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2.  Gary, Romain.  La vie devant soi 

直訳「これからの人生」。ロマン・ガリの作品だが、エミール・アジャール(Emir Ajar)名義で書かれた1975年のゴンクール賞受賞作。一人一回という賞の原則が破られた作品としてフランス文学史上有名な作品。アラブ系の孤児モモはユダヤ人元売春婦の老婦人ローザに委ねられた。 虐待されてきた人生の二人の間に深い愛着が生まれる。フランス最下層移民と呼ばれる人達の共同生活や現実を描いた作品。

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3. Houellebecq, Michel.  Plateforme 

ミシェル・ウェルベック作、邦訳「プラットフォーム」。父親が死んだ後、文化省に勤めていたマイケルは遺産でタイ旅行へ行く。ツアー旅行だとマッサージやそこで働く若い女性たちのサービスを受けれないので、ツアーから逃げ出すマイケル。それをヴァレリーというツアー客の女性がひそかに見守っていた。パリに戻って新しい職に就くマイケルは売春斡旋ビジネスの話に携わることになり・・。フランスで大論争を巻き起こした本。

 

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4. Lévy, Marc.  Elle et lui

マルク・レヴィ作、直訳「彼女と彼」出会い系サイトで彼らは出会った。彼らは恋人になるのではなく友達になった。彼らはそれ以上の関係を求めないはずが・・。予測できない展開のロマンチックな涙あり笑いありのラブストーリー。

 

 

5. Musso, Guillaume.   La fille de Brooklyn 

ギヨーム・ムッソ作、邦訳「ブルックリンの女」。アンナは私の妻だった。私たちは3週間で結婚しなければいけなかった。もちろん彼女がすることは何でも愛していくつもりだった。ある日アンナは落ち着かない様子でカバンの中を探り1枚の写真を私に手渡した。「それをしたのは私なの」私はその衝撃的な写真を見て呆然とした。そして私たちの生活が永遠に終わることを理解した。私はショックで何も言わずにその場を立ち去った。再び私が戻ったときには全てが遅すぎた:アンナは消えていたのだ。以来、私はずっと彼女を探している・・。極悪非道なプロットのサスペンス。本屋で平積みで売っているフランスのベストセラー作家。

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6. van Cauwelaert, Didier.  La maison des lumières  

ディディエール・ヴァン=コウエラート作、直訳「光の家」。25歳のエレミヤ・レックスは、フランス西部アルカションのパン屋で働く。彼はマグリットの絵の中に入りこんだ。女が彼のことを愛した430秒の間で、自分の人生を捧げる女性は彼女だとわかった。幻覚、脳卒中、時空変化??彼が意識を取り戻した時に、問題が始まる:絵の中に戻るにはどうしたらいいのか?幸福を再現するにはどうやって現実から逃れることができるのか?愛の落とし穴にハマった普通の若者の奇妙なストーリー。

 

7. Benacquista Tonino. Malavita 

トニーノ・ブナキスタ作、邦訳「マラヴィータ」。リュック・ベッソン監督、ロバート・デ・ニーロ主演の映画「マラヴィータ」の原作。一見普通に見えるアメリカ人一家がフランス、ノルマンディーの田舎町へ引っ越してくる。しかし、父親のフレッドは元マフィア。作家のふりをする悔い改めた(?)男とその家族の生活は容易にはいかず、妻マギーも二人の子供たちもトラブルを起こしてしまう・・。

 

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8. Carrère, Emmanuel. L’adversaire 

エマニュエル・カレール作、邦訳「嘘をついた男」。1993年1月9日、ジャン=クロード・ロマンは妻、子供、彼の両親を殺した後に自殺を図ったが失敗に終わる。信じるのも難しい話だが、調査の結果、彼は医者のふりをしていただけで何もしていなかった。18年間嘘をつき続け、身内も友達も騙していたのだった。その嘘がわかってしまう直前に、彼は家族にわかってしまうのを恐れて家族を殺すことを選び、 終身刑を宣告される。

著者は拘置所の犯人へ手紙を送って連絡を取り続け、孤独、偽りの人生を正確に伝えようとするため彼の裁判にも出席。予定や証言できる人がいない、空白の時間に何が起きていたのか。

 

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9. Lemaître, Pierre. Robe de marié 

ピエール・ルメートレ作、邦訳「死のドレスを花婿に」。平和な生活を送る聡明な若い女性ソフィーはゆっくりと狂気に沈んでゆく。少しの心配だったはずのことが、気がつくと一気に悪展開していく。 障害のある夫の母、彼女の義母の死について責任があるのか? 徐々に、彼女は自分自身がいくつかの殺人に関与していることに気付く。問題は彼女には記憶がないことだった。 ある日決定的な事件が起こり、恐怖にかられた彼女は逃亡を開始した。 名前と生活を変え結婚するが、彼女の苦い過去は彼女を逃さない・・。

その女アレックス」という作品で2015年の本屋大賞の翻訳小説部門の1位となり日本でも有名だと思いますが、彼の推理サスペンスはフランスでも大人気です。

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文藝春秋
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10. Vargas, Fred.  Sans feu ni lieu 

フレッド・ヴァルガス作、邦訳「彼の個人的な運命」。「バカなのか、この男?」ルイス・ケールワイラーは動揺する。この話はおかしい。 クレマン・バケールは2件の殺人事件に対して有罪となっていることは間違いない。警察は彼の調査書を持っているので逃亡は長くできないだろう。しかし知恵遅れのアコーデオン奏者であるクレマンは、元売春婦で彼の無実を信じる老女マルタに保護されている… それだけでケールワイラーがマルク、ルシアン、マティアスに数日間この逃亡者を隠すように頼む理由は十分だ。 18区の奥、彼らが住む腐ったバラック小屋へクレマンを探す者は誰もいない。すべての始まりヌヴェールに行く時間がやってきた…

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CINQUE  (B2クラス)

11.  Bâ, Amadou Hampaté.  L’étrange destin de Wangrin  

バー・アマドゥ=ハンパテ作、邦訳「ワングランの不思議ー生きていたアフリカの知恵」。1901年にマリで生まれたアフリカの口頭伝承の偉大な弁護人であるアマドゥ・ハンパテ・バーは、この本で友人であった男の物語を語る。 舞台は20世紀初頭のフランス領西アフリカ。主人公のワングランは、知性と人の心を掌握する力で富と権力を持つものへと這い上がっていき、貧しい人々に利益がいくよう金持ちからお金を奪っていた。実際当時の通訳の役割はとても重要であり、ワングランは金持ちに払わせて多くのお金を稼ぐことができたのだった。ワングランは仕事を始めて間もなく「ゴンゴロマク・スク」という神の保護下に置かれた。数年間の通訳を経て、彼は巨大な財産を築いた。しかし、「運は鼻血のようなもので、理由なしにやってきて理由を知らずに突然なくなるの。」という教えがあるように、最後にワングランは彼の財産を失って終わることになる。

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12. Khadra, Yasmina.  Ce que le jour doit à la nuit

ヤスミナ・カドラ作、邦訳「昼が夜に負うもの」。10歳のアルジェリア人ユネスは両親と妹と住んでいた。先祖代々伝わる土地が放火されて生活を失い、仕事を見つけるため一家はオランという都市へ引っ越さなければならなくなった。しかし彼の父親は生活に困り、フランスの女性と結婚した薬剤師の兄弟に息子を委ねることを決めた。 青い目、天使のような顔をしたユネスはジョナスと改名し、キリスト教徒の白人コミュニティ、つまりアルジェリアに住むフランス人、将来の “ピエ・ノワール”たちの世界にとけこんでいく。

長年にわたって彼は祖国を理解し、国を愛すること、4人の友人とのかけがえのない友情、女性を愛することを学んでいく。同時に、その国民の悲惨さ、戦争と不公平も学んでいく・・。

ピエ・ノワールとは、1830年から1962年のアルジェリア戦争終結に伴うアルジェリア独立までのフランス領アルジェリアに居たヨーロッパ系(フランス、スペイン、イタリア、マルタ、ユダヤ系)植民者。1962年のアルジェリア独立でほぼ帰国するが、フランス本国で差別的な扱いを受ける。アルジェリア人の視点から見たアルジェリアの歴史がわかる、フランスでも大ベストセラーとなった本。

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13. Maalouf, Amin. Les désorientés

アミン・マアルーフ作、直訳「見失った者たち」。アダムが故郷に帰らなくなって25年が経つ。その間彼はずっとパリで暮らし、今では著名な歴史家である。ある夜、彼は電話の鳴る音で目を覚ます。電話は、彼が生まれた育った国からだった。若い頃からもっとも仲のいい親友の一人が苦しんでおり、死ぬ前に1度アダムに会いたいと思っている。

何も考えずにアダムは1番最初の飛行機で飛び立った。数十年の不在の後、彼は自分の故郷、ミルクの色をした山々のある東の国に戻る。亡命を選んだこの偉大な知識人は懐かしい場所、人々に再会する。徐々に過去の思い出が浮かび上がってきて、アダムはネイム、ビラル、アルバート、ラメズと熱心に議論した夜を、戦争のことを思い出した。

彼は美しいセミラミスの家に落ち着くが、突然決断に迫られる。彼らはどうなったのか? 「一般的な」イスラム教徒から修道士になった技術者、外交の実力者からあくどい政治家となった者、青年時代の友人たちはさまざまな道を歩み、現在は汚職に手を染めている者もいる。

何を求めるべきなのか?亡命した者としての清白か堕落への約束か?自分が信じるような勇気は、いつでもあるわけではないのだ。彼の運命を知る前に、愛と友情、理想と妥協、政治、欲望、裏切り、この全てにアダムは対面していく・・。

 

C1  (C1クラス)

14. Faye,Eric.  Eclipses japonaises 

エリック・ファイユ作、邦訳「エクリプス」。1966年、南北朝鮮間の非武装地帯でのパトロール中に一人のアメリカ軍のGIが消息をたった。 1970年代の終わり、日本全土で年齢も背景も関係なく様々な男女が無差別に消えた。 その中には女子高生、考古学者、将来の看護師などがいた。何の手がかりも残すことがない失踪を「神に隠された」と日本で言われていた。

1987年、大韓航空機爆破事件を起こしたテロリストが飛行機から降りたところで逮捕された。 彼女は完璧な日本語を話す。 しかし警察は最終的に北朝鮮の工作員と特定した。 長い時間をかけて、失踪事件のつながりが表面に現れ、拉致された被害者たちとその家族、北朝鮮工作員たちの姿が明らかになっていく・・。フィクション小説だが、かなり現実に近い話。拉致問題について鋭く描写されている。

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15. Claudel, Philippe. Les âmes grises

フィリップ・クローデル作、邦訳「灰色の魂」。2003年ルノードー賞受賞作、25カ国で翻訳されている。物語の舞台は第一次世界大戦時、1917年12月の冬、フランス東部。虐殺された幼い子供の死体が発見される。誰がベル・デ・ジュウを殺したのか?孤独で冷たい検察官、小さなブルトンの脱走兵、または流れの畑荒し・・?数年後、調査の主導官は、ベル・デ・ジュウ、教師のリシア、餓えた貧しい人々の医者、小さな町ブルトンの窮状、全ての生活を語った。不器用に恐れと敬意をいだいて書いた。しかし彼自身にも秘密がある・・。語り手の主人公を含め、登場人物たちは英雄ではなく善と悪の間「灰色の魂」を持った者たちである・・。

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16. Guène, Faïza. Un homme ça ne pleure pas 

ファイーザ・ゲンヌ作、直訳「男は泣かない」。アルジェリア人の両親を持つニースで生まれたムラードは自分で運命を決めたいと考えている。 彼の最悪の悪夢は、母親に油を大量に使った食事を与えられ、胡椒と塩にまみれた髪をした肥満少年になること。 これを避けるために、彼は重苦しい家族の伝承を捨てなければならない。しかし、家族との断絶で本当の自分を見つけることができるのか?著者は家族の継承ごと、それを受け継ぐ自由について疑問を抱いている。 重苦しいことは何もなく、いかなる批判もないはずだ。

彼女のデビュー作 Kiffe kiffe demain(邦題 : 明日はきっとうまくいく)の発表から、現代フランス文学界のもっともオリジナリティーのある作家として不可欠な存在となっている。

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17. Nothomb, Amélie. Biographie de la faim 

アメリー・ノートン作、直訳「飢えの伝記」。Stupor and Trembling1999年アカデミー・フランセーズ小説賞受賞作・日本の会社で働くベルギー人女性の話)の著者。小さい時に外交官の父親の転勤に連れ立って過ごした日本、北京、ニューヨーク、バングラデシュ、その他の地のことを回想している。

 めくるめく様々な思い出の中心は彼女の飢えである。単にお腹が減った空腹だけでなく、飲み物、愛、本、文字、そして人生への並外れた好奇心を満たしたいという飢え。個人的な飢えや欠乏をテーマにした作品。“La faim, c’est moi.” 「飢え、それは私」。

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18. Hébert, Anne.   Kamouraska

カナダの作家アンヌ・エベール作、直訳「カムラスカ」。映画化もされた作品。カムラスカはケベック州東部の自治体の1つ。

死にかけた2番目の夫のベッドサイドで、11人の子供を持つエリザベス・ダルニエールは自分の記憶を回顧する。16歳で彼女はカムラスカの領主アントワーヌ・タッシーと結婚した。夫の暴力、自堕落な性格や神経衰弱ぶりに、彼女は2人の子供を連れて母と3人の叔母がすむ彼女の幼少期を過ごしたソレルの家へ隠れるように逃げ出す。彼女の夫の学校時代の友人であるジョージ・ネルソン医師が彼女の怪我を手当てしてくれる間に二人は恋に落ち、彼女はすぐに妊娠してしまう。妻としての評判を保ち、ソレルでの社会的な面子を保つために、エリザベスは強い嫌悪を引き起こすにもかかわらず、夫と愛情的な和解をするふりをしなければならなかった。

夫に対するエリザベスの嫌悪、アントワーヌの心配りに対する子供の頃からもつジョージへの憎しみから、エリザベスとジョージの二人はアントワーヌを片付けたいと思うようになる。毒殺が最初は最も慎重で確実な方法のようにみえた。メイドのオレリーが実行を担当し、彼女がアントワーヌを誘惑して致命的な飲み物を飲むように仕向ける。しかしアントワーヌは死ぬことなくすべてを吐き出してしまう。

その失敗からジョージは汚い殺人仕事を決意することになる。雪と寒さの中で彼は異常な装備のそりの準備を始める。勢いのある黒い馬に乗って、カムラスカから200マイル離れたソレルに数日間で到着、1839年1月31日にアントワーヌを考えうるもっとも残忍な方法で虐殺する。ジョージはカナダの国境を越えて亡命をする前にエリザベスに永遠の別れを告げるため、彼女のもとへ急いで戻らなければならなかった。

一人残ったエリザベスは共謀のために裁判所に連れて行かれるが、証拠不十分のため無罪となる。結局、ジョージから何のニュースがなにもないことから、ケベック州の公証人ジェローム・ローランドと再婚することによって「自分自身の評判を再び作り直す」必要があった。・・

 

 

19. Djavann, Chahdortt.  Comment peut-on être Français?

シャードルト・ジャバン作、直訳「どうやってフランス人になるのか?」。ロクサーヌはパリに到着した。荷物は熱意、純粋さ、欲望と彼女のフランス語を学ぶ激しい情熱だけ。

彼女の母国イランからの道のりは長かったが、彼女のここで暮らす、という夢を遠ざけることはできない。 言語の中にすべてが根づいている、と彼女は自身に言い聞かせる。 フランス人がフランス語を話さなかった場合、フランス人ではない。 彼女の祖国はは言語なのだ。 しかし、外国語の中に入りこむのはそれほど簡単なことではない。

そして彼女はモンテスキューのペルシャ語の手紙を発見した。 この知性ある男性は18世紀にペルシャ人(イラン人)の想像力に身を置くことができたのだから、今日、彼に話しかけてみない理由はない。 ロクサーヌは哲学者に手紙を書いて自分自身に話し、パリでの生活で発見したことを伝える。 魅力と優しさと繊細さがいっぱい詰まった小説。

 

20. Vargas, Fred.  Temps glaciaires

フレッド・ヴァルガス作、直訳「氷河の天気」。アダムズバーグは彼の電話をつかみ、ファイルの束を遠ざけ、テーブルの上に足を乗せて椅子の上で足を伸ばした。

その夜、姉妹の一人が肺炎を罹っており予断を許さない状況だったので、彼はほぼ何も聞いていなかった。 「33歳の女性?」彼は尋ねた。「バスタブの中で静脈が開いていた? 君は何で朝の9時にそれを言うんだ、ボウリン内部の報告によると、これは明白な自殺だ。 疑っているのか?」アダムスバーグは、旺盛な食欲の持ち主で喫煙者で酒飲みの警察官ボウリンを気に入っていた。しかし今はそんな時ではない。

「新しくきた熱心な治安判事のヴェルミヨン裁判官に、ダニのようなものだ、と言われたんだ」、とボウリンは言った。 「ダニが何をするのか知ってるかい?」

 

 

EOI – Barcelona Vall d’Hebron
http://www.eoibcnvh.cat/llibres-text-frances

 

【今日の収穫】

この作品はどのレベルくらいのフランス語レベルで読むことができる、という目安の参考になりました。有名作品が多いので邦訳が出ている本も沢山あります。フランスだけでなくカナダ、セネガル、モロッコ、アルジェリアなどフランス語圏の作家もリストにあり、演劇作品、推理小説、ロマンス、サスペンス、コメディ、とジャンルも多岐にわたっています。北アフリカの作家の作品はフランスと結びついた話が多く、フランスを別の側面から見れるのが興味深いです。

多読をしたい、と思っている方に少しでも役立てれば、と思って記事を書きました。作品リストは上級クラスに行くほど多くなるので自分の独断で一部をご紹介しましたが、引用の語学学校のサイトにはもっと掲載があります。好きな本、興味のある本を沢山読んで、読む力をつけれたら最高ですよね。フランス語で小説をもっと楽しめるようになりたいです!

 

A1からB1レベルのクラスで使われている作品の紹介はこちらです。↓

 フランス語の多読に。レベル別読み物初級〜中級者向け(A1-B1レベル) 15作品

 

なかなか読む時間が取れない方にオススメなのが聴く読書。オーディブルが使いやすく続けやすいです。こちらの記事も合わせてどうぞ→。Audibleをフランス語の勉強に使うには?挫折しないコツ7つ。

 

動画を使ったフランス語学習に興味がある方はこちらをどうぞ。

 

 



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