フランスの小学3年生 (CE2) はどんなことを勉強しているの?
長年がフランスの小学3年生、CE2 (Cours Elémentaire deuxième année) になってはや8ヶ月。
初等コース2年目、であり初等コースの最終学年でもあるので、2年生(CE1)で習ったことを含め、基礎知識を身につけるよう2年生の内容をさらに深めた学習をしています。フランス語の学習時間が1番長い配分になっていて、週に10時間、次に算数が5時間、音楽や図工にあたるような芸術の時間が2時間、英語が1時間、地理、歴史、理科、体育、テクノロジー(タブレット操作)、課外活動の時間があります。
小学3年生ってこんな勉強してるのか・・と、日本と違う方法で学習していることをご紹介する記事です。
1年生に入学した時、親にはフランス共和国教育理念「ライシテ」を理解するためのプリントが配られます。衝撃が大きかったです。その時の話はこちらです。
フランス小学校2年生になって改めて知ったことをまとめました。
算数
足し算・掛け算は10×10まで暗記
掛け算暗記は9X9までではなく、10X10まで。面白いのは10までの足し算表も暗記しないといけないこと。足し算暗記は1年生の頃からやるのですが、3年生なってもまだ出てきます。筆算で間違えないようにするためだとは思うのですが、この手の、昨年もやった内容は繰り返し出てきます。
くり下がりのある引き算
日本だと、減加法(354ー137なら、4から7は引けないので、1をお隣10の位から借りてきて、10−7+4で、まずは1の位を計算。10の位の「5」は1の位の計算に使ったから「4」として計算・・)という計算方法で習うところが多いのではないかと思いますが、フランスは違った・・・
10の位から1を借りて14−7にはなるんですが、その後、10のくらいの下段「3」に1を足す、という方法・・。同じことなのですが、この発想に目から鱗でした。
度量衡の単位学習が細かい
例えば長さの単位。日本だとmm, cm, m, kmくらいかと思うのですが、覚えるものがもっと多くて驚きました。↓が覚える表なのですが、なにこの、デシメートル、へクトメートル、さらにデカメートル??これは多すぎでないか・・と唸りました。
ヘクト(hecto・・)とあったら100が単位、デシム(decim・・)デカ(deca・・)とかdecがついてたら10が単位、という単位感覚を覚えれますが、こんなの使わないよね?という長さの単位を学習させられるのが驚きでした。この問題で頭がこんがらがっていた息子の気持ちがよくわかる・・・。
フランス語
読解問題つきの読書宿題が増える
読解問題がついた、世代にあった語彙が使われた本を読むことが定期的な宿題になっているのですが、昨年より確実に長く、内容が少し難しくなっています。
以前に、フランスの小学校2年生が使っている読解問題付きの本をご紹介したことがあります。40ページくらいで字はやや大きめ、挿絵も結構あったのですが、3年生の本からは挿絵は消え、字もやや小さくなっています。
読解問題の量もA4用紙2−3枚と多くなり、選択式ではなく記述式の問題が多いので、我が家は親のヘルプが入ります(なるべくやらせているのですが、どうしてもできない時はしょうがないですよね・・)。母さんは子供と一緒にやる前に一通り宿題をやって、それから子供と読むのですが、予習がいいかげん嫌になってきました。フランス語の勉強になるし、なんて最初は思っていたけど、毎回はやっぱり疲れます。自分で完結してほしい、と思いつつ、この宿題を一人でやっている子がいたら偉いよなぁ・・。
ちなみにこちらの写真のシリーズの本、「未来の話シリーズ」なだけに、自分のクローンがいる世界、他の惑星からきたクラスメートとの友情、他の居住できる惑星探し、有機体のいる惑星に到着してテレパシーで会話し友だちになる、他の惑星で暮らす、いるかと話せるようになる、などなど、SF・冒険・軽いサスペンスがまじった話ばかりです。読解問題をするのはつまらなさそうでしたが、話は楽しく読んでいました。
詩の暗記量が長くなる
1年生の時から詩の暗唱をさせられるのですが、3年生になると、長くて、語呂で遊ぶような詩が多くなり、2年生くらいまでは頑張って一緒に覚えていたのですが、そろそろ覚えるのは子供だけに任せて監督に徹することにしました。数日に分けて1週間くらいで暗記を終えるようになっているのですが、こういうのサクサク覚えちゃって、子供すごい・・。
地理
世界の大陸の数え方が違う
日本で習うのはヨーロッパとアジアが一つでユーラシア大陸=ユーロ・アジア大陸ですが、これは分かれているもの、とし、世界は7大陸として勉強します。トルコとロシアがアジア大陸のヨーロッパ大陸との境になる西の国々です。
- 北米大陸
- 南米大陸
- アフリカ大陸
- ヨーロッパ大陸
- アジア大陸
- オセアニア(オーストラリア)大陸
- 南極大陸
歴史・その他科目
歴史を初め、フランス語・算数以外に教科書はない
これは歴史に限ったことではなく、地理、理科、英語、などにもいえることで、プリントで学習、テストもプリントや板書させたことから出となります。今年の先生は、文言が少しでも違っていると点数を引く先生なので(厳しい)、丸暗記をさせ、口頭で言えるようにするだけでなく、書かせた時に綴りの間違いがないようチェックします。綴りが難しいフランス語なので、子供も大変ですね。
体育は課外授業でヨットをやるクラスにあたりました。2年連続なので、引きがいい長男・・。その全員ができるわけではないので、当たったクラスに入れると楽しいと思います。学校にプールがないので、プールに通うクラスもあります。課外アクティビティは担任の先生によるので、その先生がやる、と言わないと当たらないという、運に左右されます・・。全15回予定中、1回だけ行われましたが、コロナのためその後は中止となりましたが。他にも課外授業として、野鳥観察ができる場所に鳥を見に行ったり、伝統ある建物の見学に行ったり(これも1回だけで後はコロナのため中止)、がありました。その活動の前後でプリントが配られ、ある程度学習するのですが、活動の後はテストがありました。
成績表にどの程度入っているのかはよく分かりませんが、独自の課外活動についてのテストの有無は、先生によります。
今日の収穫
次男も小1になっているのですが、彼の先生は優しいのですが、課外活動が少ないタイプの先生です。
やる気がないわけでは決してないし、優しい先生でいいのですが、長男のクラスのような課外活動の豊富さが欲しい・・(コロナ年だったのでキャンセル多かったけど)と思ってしまいます。次男も、来年度はもっと課外活動がある先生に、そして活動ができる年になりますように。
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やっぱり学校によって違いますねー!
カンヌの公立校は、CE1&CE2は「教科書なし、プリントのみ」がスタンダードでした。
今いるところも公立ですが、エリアの特性上、教育熱心な親が多いのもあるのか、
子どもたちのレベルも高い気がします。そして教科書も盛りだくさん。
算数、フランス語それぞれの教科書の他に、算数+理科、フランス語+歴史と地理という
ページによって教科が混在した感じのものがあります。
ちなみに時間割ってありますか?
カンヌの学校は、CM2になって初めて配られたみたいです。(ママ友談)
今の学校ではまだ見てませんが、子ども自身は一応把握しているようなので、
教室に張り出されてたりするのかもしれません。
なるほど〜、うちも公立ですが、全然違いますね。算数+理科、フランス語+歴史や地理、みたいな内容、プリントでありました。プリントにしないで、本としてまとまっている方がいいような気がするなぁ・・と思った記憶があります。
うちの子供たちが通う学校も、時間割は配られたことはないですよ。子供達の教室の中を何度か見ましたが、時間割ははってなかったです。毎年年度の始めにある保護者会で、フランス語は毎日で週に○時間、算数も毎日で週に○時間、英語とタブレットの使い方は週に1時間、etc..というような説明だけでした。午前中にフランス語と算数をやるようにしている、という話でしたが、具体的に何曜日の何時間目がこの授業、という話はなかったです。いつから時間割くれるんだろう・・次はCM1だし、子供の意識のためにもそろそろほしいな、と思っていますが。