5種類の葉っぱで試した手作り納豆。一番美味しいのはどれ?

5種類の葉っぱで試した手作り納豆。一番美味しいのはどれ?

この記事では、自家製納豆を作る方へ、ハーブや木の葉を使って作る方法をご紹介します。ある日、「葉っぱについている枯草菌(こそうきん / Bacillus subtilis)を使って納豆を作れる」という衝撃のツイートを読みました。「納豆菌」は「枯草菌」の一つだそうで、それで納豆ができるのだそうです。

一番美味しい葉っぱは何だろう?と考え始めたら好奇心がおさまらず、庭にあるハーブや木の葉で実験をしてみました。ローズマリー、いちじくの葉、ラベンダー、西洋菩提樹(セイヨウシナノキ、とも。学名 Tilia europaea /仏 Tilleul・ティユール /英 Linden・リンデン)、パセリの5種類です。

冷凍納豆を買わなくても好きなだけ毎日食べたいので、自家製納豆を作っているのですが、わざわざそのために冷凍納豆や納豆菌を買っていました。ネットで調べてみると、世界中でハーブ・葉で納豆作りをされている方のなんと多いことか。納豆食べたい人、多くて嬉しいです。私も早速作ってみることにしました。

5種類作ってみてわかったのが、ハーブや葉っぱならなんでも良い、というものでもなく、向き不向きがある、ということ。自家製納豆作りを葉っぱを使ってしてみたくなった方に、少しでもヒントになりますように。

材料

大豆
ハーブや葉っぱ

シンプルです(嬉)!!

道具

・インスタントポット(圧力鍋(大豆調理)・ヨーグルトメーカー(発酵)の二役を一台でこなしてくれます)
・ざる
・スプーン
・小皿

インスタントポットを使わない場合、大豆調理のための圧力鍋か鍋、発酵する道具(24〜28時間程度、40度をキープできるもの)が必要になります。オーブン、炊飯器、湯たんぽ、色々やり方があるようです。私は、発酵温度に気を遣うことができないので、温度管理をお任せできる器具に頼ることにしています。

作り方

大まかな流れは、

→大豆を一晩〜一日、水につけてしっかり吸水
→大豆の圧力調理
→水を切って、熱湯消毒(熱湯をかけるだけ)をしたハーブや葉の投入。底に葉を敷き詰め、大豆を入れて、さらに葉で覆い隠すイメージ。
→24〜28時間、40度程度で発酵
→できあがり

になります。インスタントポットで作る詳しい作り方はこちら↓からどうぞ。

インスタントポットで作る!自家製納豆と納豆タレのレシピ

納豆調理の方法で、冷凍納豆・納豆菌を入れるタイミングで熱湯消毒したハーブ・葉を入れるだけ。使う葉の量がいまだによくわからないのですが💦、「鍋底に葉をひき、大豆をおき、またその上から葉っぱをかぶせる」という分量で行っています。煮沸消毒しても枯草菌は死なないそうなので、雑菌が気になる人は煮沸してもいいのかもしれません。

実験結果

写真に番号をふっています。

  • 1 投入するのに使った葉
  • 2 葉を敷き詰めた様子(鍋底にもほぼ同じ量を敷いています)
  • 3 発酵28時間後の様子
  • 4 納豆の出来上がり具合(系を引いているかどうか)を確認した様子

となっています。

実験1  ローズマリー

南仏代表格のハーブ、ローズマリー。大豆の上下に写真程度のローズマリーをおいたのですが、強めの香り・味がつきました。ハーブ味がかなりするので、葉の量をもう少し減らしたら、マイルドな味に近づくかと思います。手作り納豆用の葉っぱ、として合格素材!

 

納豆の出来上がりの目安ですが、おおよそ2倍の量ができます。500gの大豆を使うと、おおよそ1kgの納豆ができます。↓のプラスチック容器1つに110〜120gくらい入っていますので、1kg。実験のわりに作りすぎました・・・。

実験2  ラベンダー

ローズマリーがうまくいったのだから、あまり変わらなそうな(?)南仏代表ハーブ、ラベンダーもいいだろう、と思って使ってみました。5月の終わり〜6月はラベンダーの花が少しつきかけており、葉だけでなく、茎も花も入れてみました。香りはまずまずラベンダーで良いのですが、お味はいまいちでした。苦味が強かったです。葉っぱ部分が少なかったせいか、糸のひきが弱い納豆でした。納豆づくりの素材としては不合格。

 

実験3  いちじくの葉

果実が美味しいし、葉がザラザラするものの、そんなににおいも強くないし・・いいかな?と思ったイチジクの葉。使ってみたのですが、出来上がりはニオイも味もキツすぎて一口食べて終わってしまいました。発酵最中に様子見に蓋を開けてみると、よもぎのような香りがします。匂いのきつさは、ローズマリーを超えました。よもぎ臭と味が強すぎて・・食べると口の中だけでなく、鼻にも味が残るくらい。食べるにはキツイもので、大失敗でした。😢 納豆の素材としては不合格、選外。

こんな風になるなんて残念・・と義母につぶやいたら、「あんなまずい葉はダメよ。」と一蹴されました。(←あの葉を食べたの?!というツッコミはおさえて)

彼女曰く、「葉をちぎったときに白い汁が出るもの」は調理には向かないんだそうです。さすが・・。なんでもとりあえず食べずにはいられない彼女の知識からはいつも新しい発見をもらいます。

実験4  西洋菩提樹・ティユール

植物好き、庭手入れが大好きな義母に、「葉っぱならこれが美味しい」とおすすめされたので使ってみたのが、ティユール(セイヨウボダイジュ・セイヨウシナノキ)、という葉。

ハーブならまだしも、普通の木の葉をむしってまずは食べる、ってなかなか考えないですよね。でも、義母の言うとおり、白い汁もでないし、生の葉を食べてみましたよ。大葉を思いださせる味で、美味しかったです。花がちょうど咲いているシーズンで、「花がとてもいい香りなの、花もぜひ混ぜてみて」という言葉通りに花も葉も茎も入れて調理しました。

みょうに美味しかったので、Wikipediaで調べてみると、

セイヨウシナノキの乾燥させた花は、やや甘く粘着性があり、果実もやや甘い粘液を出す。この乾燥させた花は、ハーブティーとして飲まれる。花、葉、木、および木炭は、薬用目的で使用される。花の有効成分には、酸化防止剤として作用するフラボノイドや揮発性オイルが含まれ、植物には収れん作用をもつタンニンも含まれている

とありました。鎮静効果があるハーブティーとしても普通に飲まれているそうです。知らなかった〜。それなら食べても安心!植物を知る地元の人ならのアイディアです、知恵に感謝!

香りはあまりきつくなく、お味はスッキリ、なんだか上品な味わい。くさい納豆も好きなのですが、納豆の臭みがうすらいでも、これはこれで美味しくなりました。ティユール納豆、いけてます👍。

実験5  パセリ

最後に、実際に作られている方が多かったパセリで作ってみました。結果から言うと、これが一番冷凍納豆や納豆菌を使って作る納豆の味に近いと思いました。でも、臭くないです。パセリを生で食べると独特の苦味があるので、この味になるのかな・・、葉が発酵中にダレてきて、色が納豆について見た目悪くなるかも・・とやや不安に思っていたのですが、そんな心配は全く必要ありませんでした。想像した味よりも、ずっとニュートラルです。パセリ納豆、とても美味しい👏👏です!

葉を選ぶポイント?

5種類とも、発酵は成功して白く糸をひく納豆になりました。その植物なりの独特の香りもついて、あの独特の納豆臭がほとんどしません。「枯草菌は自然界に普通にある菌なので、植物の葉から納豆ができる」ということがよくわかった実験だったのですが、毒性のあるものもありますし、使う植物はなんでもいい、ということではないこともわかりました。葉を選ぶ際にこれは大切かも?と思ったポイントをあげてみます。

葉っぱが生でも食べれるかどうか。これはかなり大切な条件、と思いました。生葉を食べて変な味だと、美味しい納豆になりません。勇気を出してイチジクの葉を少し食べて見ましたが、やっぱりまずかったです。それから、イチジクなど、アレルゲンとなる植物の葉も避けた方が良さそうです。

葉をちぎった時に白い汁が出るものは使わない。食べなくてもちぎればわかる、とのこと、義母が自信を持って教えてくれました。改めてネットで調べてみると、日本植物生理学会の記事で、「植物乳液は人によってはひどいアレルギー反応を起こすこと」、身近な植物の例として、「タンポポ、サツマイモ、イチジク、ゴムノキ、パパイア」が挙がっていたのを見つけました。えっ、食べちゃったよ??😱、と食べた後にこちらの記事を見つけてびっくり。アレルギー反応出がなかったからよかったですが、納豆作りには使わない方が良さそうです、白い汁が出る葉。

硬めの葉の方が、葉汁が出にくい。40度で24〜30時間発酵すると、葉っぱがダレっとしてきて、緑色も抜けます。葉っぱが納豆に張り付いて取りにくいこともあるので、多少混ざっても気にならない葉っぱが良さそう、と思いました。

私が個人的に実験してみた感想です。調味料としてのハーブやハーブティーとして既存で使われているような葉の生葉を使うのがリスクが少ないのではないか、と思います。野菜の葉なども良さそうな気がしています。でも、葉の選択は、毒性などもしっかり調べてからにしましょう。(自己責任でお願いいたします🙏)

今日の収穫

納豆は食べると美味しいけど、臭いが苦手な人には、納豆独特の香りが薄らぐので、葉を使った納豆作り、かなりおすすめです。ゴミを減らせるのが、エコでいいですよね。

今回の味・香り番付を発表すると

1位 パセリ

2位 ティユール

3位 ローズマリー

4位 ラベンダー

5位 イチジクの葉

となりました。ラベンダーとイチジクは4位と5位ですが、どちらもキムチなど味が強い食品を混ぜても味がごまかせず、食べる気がしなかったので、今後納豆作りに使うことはないでしょう。

何か作ったものは必ず試食する義母ですが、もちろんこのハーブ・葉納豆も全部試食をしていて、彼女もティユールとパセリがいいわね、と言っていました。普通の納豆だと臭みが強すぎてあまり多くを食べる気がしないけど、こちらの方が食べやすい、とのこと。

フランス人ママ友に納豆ファンがいるので、彼女には作るたびにおすそ分けしているのですが、今回のハーブ(葉)納豆もあげたところ、そこの家の娘さんも食べるようになったとか。納豆教の布教活動を地味に続けます。

葉っぱから納豆作りができることがわかったので、また他の葉っぱを使って、手作り納豆研究に励みたいと思います。

 

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